「玄米は体に良いと聞くし、挑戦してみたい」「玄米を食べることで得られる効果について知りたい」といった悩みをお持ちではないですか?
近年、健康志向の高まりに伴い、白米の代わりに玄米を食べる人が増えていると言われています。実際、本記事の執筆者も1年以上玄米を食べ続けています。
そこで本記事では、以下の内容を中心に、玄米を食べることで期待できる効果について解説していきます。
本記事の内容
- 玄米が持つ効果について解説
- 玄米と白米の違いについて解説
- 玄米を食べる際の注意点について解説
- 玄米を1年間食べ続けて実感した効果について解説
玄米の効果

玄米の効果には、以下が挙げられます。
- 便秘解消効果
- 美肌効果
- ダイエット効果
- アンチエイジング効果
- リラックス効果
便秘解消効果
玄米には便秘解消効果があると言われています。これは、玄米に含まれる不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が働くためです。
不溶性/水溶性食物繊維とは?
不溶性食物繊維は水に溶けず、穀物や野菜、果物などに含まれています。便通を促進し腸内環境を整えます。
一方、水溶性食物繊維は水に溶け、こんにゃくや昆布、果物、野菜などに含まれています。栄養素の吸収を助けたり、腸内を穏やかにする役割を果たします。
※果物・野菜でも種類によって異なります。
玄米は白米の約6倍の食物繊維を含むため、腸の働きを活発にし、便通を促す効果が期待されます。
ただし、便秘解消を目的に玄米を食べ過ぎると、逆に下痢を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
美肌効果
玄米には美肌効果があるとよく言われています。これは、玄米に含まれる豊富なビタミン、食物繊維、ミネラルが肌の健康をサポートするためです。
玄米には豊富な栄養素が含まれており、具体的に、ビタミンEは抗酸化作用により肌の老化を防ぎ、ビタミンB群は新陳代謝を促して細胞の再生を助けます。また、必須脂肪酸やその他の抗酸化成分が含まれており、肌の保湿やターンオーバーの維持にも効果が期待できるとされています。
さらに、玄米は体内の不要な毒素を排出するデトックス効果も期待でき、健康な肌作りに役立ちます。
加えて、玄米にはマグネシウムや亜鉛といったミネラルも含まれており、これらは肌のターンオーバーを促進し、炎症を抑える効果があるとされています。
ポイント
玄米は低GI食品として血糖値の急上昇を防ぐため、肌トラブルの原因となる炎症やニキビのリスクを軽減する可能性があるとされています。
ダイエット効果
玄米にはダイエット効果が期待できると言われています。その理由は、マグネシウムやビタミン、ミネラルといった栄養素が豊富に含まれているためです。
例えば、ビタミンB群は糖質の代謝を活発にし、脂肪の蓄積を抑える働きが期待できます。
さらに、玄米に含まれるγ-オリザノールには、食欲を抑制し、血糖値を下げる作用があります。実際に琉球大学医学部の研究では、「脂肪の多い食事を欲しなくなる」といった結果も報告(※)されています。
また、玄米は白米の約6倍の食物繊維を含んでおり、腸内環境を整え、便秘対策にも効果的です。
ただし、玄米を食べるだけで痩せるわけではないため、食事量の調整は必要です。玄米=痩せると決めつけず、バランスの良い食事を心がけましょう。
※https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3501875/より引用
アンチエイジング効果
玄米にはアンチエイジング効果が期待できると言われています。これは、老化予防や美肌に良い成分が豊富に含まれているためです。
玄米に含まれる代表的なアンチエイジング成分は以下の通りです。
- ビタミンB群
- ビタミンE
- セレン
- フィチン酸
- γ(ガンマ)-オリザノール
- フェノール類
- フェルラ酸
特に、セレン・フィチン酸・γ-オリザノールには強い抗酸化作用があるとされ、癌や生活習慣病の予防だけでなく、老化防止や免疫力の向上にも役立つと言われています。
リラックス効果
玄米にはリラックス効果があると言われています。
これは、玄米に含まれるGABA(ギャバ)の働きによるものです。GABAはアミノ酸の一種であり、体内で神経伝達物質として作用します。最近ではGABAを配合したチョコレートも発売されており、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
GABAには血圧を下げる効果や、睡眠の質を向上させる効果が期待できるため、リラックスに役立つとされています。
また、ビタミンB6を一緒に摂取すると、体内でGABAが作られやすくなるため、ビタミンB6を含む食材と組み合わせて食べるのがおすすめです。
玄米と白米の違い

玄米と白米の違いについて以下の表で、確認していきましょう。
以下の表は、玄米と白米の主な違いをまとめたものです。各項目について、栄養価や調理方法、消化のしやすさなどに違いがあり、用途や健康面でのメリットも異なります。
比較項目 | 玄米 | 白米 |
---|---|---|
定義 | もみ殻を取り除いた状態のお米。ぬか層や胚芽が残っており、栄養素が豊富。 | 玄米からぬか層と胚芽を取り除いた精米済みのお米。見た目は白く、消化しやすい。 |
見た目・食感 | 茶色でやや硬め。 | 真っ白でつややか。柔らかく、モチモチした食感。 |
栄養価 | ビタミンB群、ミネラル、食物繊維、タンパク質が豊富。特にビタミンB1やマグネシウムの含有量が高い。 | 栄養素は玄米に比べて低め。精米工程で多くのビタミン・ミネラルや食物繊維が失われる。 |
カロリー | 約150〜160 kcal/100g(白米とほぼ同等) | 約150〜160 kcal/100g(玄米とほぼ同等) |
食物繊維 | 豊富。例として、150gあたり約2.1g程度(玄米ならではの腸内環境改善効果が期待できる)。 | 少なめ。150gあたり約0.5g程度。 |
調理時間 | 浸水や炊飯に時間がかかる(最低5~6時間の浸水が必要)。 | 浸水時間が短く、炊飯も比較的短時間で仕上がる。 |
消化・吸収 | 消化に時間がかかるため、腹持ちが良く満腹感が持続しやすい。 | 消化吸収が速いため、エネルギー補給に適するが、短時間で血糖値が上がりやすい。 |
GI値 | 低め。 血糖値の上昇が緩やかで、糖尿病予防やダイエットに有利。 | 高め。 急激な血糖値上昇を招きやすい。 |
用途・適応性 | 健康志向・ダイエット、血糖値管理に適しており、栄養価の高さから日々の主食としても活用される。 | 幅広い世代に好まれ、消化しやすいため高齢者や小児にも適している。 |
玄米は、もみ殻だけを取り除いたため、ぬか層や胚芽に含まれる栄養素(ビタミンB1、マグネシウム、食物繊維など)がそのまま残り、健康や美容に良いと言われています。
一方、白米は精米によってこれらの成分が大幅に削られるため、消化が良く口当たりも優しいものの、栄養面では玄米に劣ります。また、玄米はGI値が低く、血糖値の上昇が緩やかであるため、糖尿病予防やダイエット中の方にもおすすめです
さらに、調理面では玄米は十分な浸水と長めの炊飯時間が必要となるのに対し、白米は比較的短時間で調理できるため、忙しい家庭などでは扱いやすいと言えます。
玄米の効果的な炊き方

玄米の美味しい炊き方について確認していきましょう。ここでは、一般的に使用される炊飯器での玄米の炊き方を例に挙げて解説します。
1. 玄米の洗米
玄米は白米と同様に洗いますが、表面を傷つけるようにザルに押し当てながら洗うことで、水分の吸収が促進されます。
最初の水は米が最も吸収しやすいため、すぐに捨てて新しい水で洗いましょう。数回かき混ぜて表面の汚れを落とします。
2. 浸水(吸水)
玄米は硬いため、十分な浸水が必要です。
一般的には5~6時間が目安とされていますが、季節によって調整が必要です。夏場は8時間、冬場は13時間程度が理想的とされています。
浸水中は冷蔵庫で保管し、雑菌の繁殖を防ぎましょう。
3. 炊飯
浸水後、玄米をザルに上げて軽くすすぎ、炊飯器に移します。炊飯器に玄米用の目盛りがある場合は、それに従ってください。また、炊飯時に塩をひとつまみ加えると、旨味が増すとされています。
玄米用の目安がない場合
ない場合は、白米モードで炊くことも可能ですが、浸水時間や水の量を調整して柔らかさを調節してください。気持ち多め(50ml~100m)に水を追加するのが良いでしょう。
4. 蒸らし
炊き上がったら、蓋を開けずに10~15分間蒸らします。蒸らすことで、米全体に水分が行き渡り、ふっくらとした仕上がりになります。
5. ほぐす
蒸らしが終わったら、しゃもじで底から持ち上げるように全体を軽く混ぜ、余分な水分を飛ばします。これにより、米粒が立ち、食感が良くなります。
これらの手順を踏むことで、炊飯器でも美味しい玄米ご飯を炊くことができます。
玄米食べる際の注意点

玄米を食べる際の注意点として、以下が挙げられます。
- よく噛んで食べる
- 摂取量に気を付ける
- 2歳以下に与えない
よく噛んで食べる
玄米を食べる際は、よく噛んで食べることが大切です。
玄米は白米に比べて直ぐに甘みを感じにくいですが、しっかり噛むことで自然な甘みや旨みが引き出され、美味しさをより楽しめます。
また、よく噛むことで消化がスムーズになり、胃腸への負担を減らせるだけでなく、満腹感を得やすくなるため、食べすぎを防ぎダイエットにも役立ちます。
特に玄米は白米に比べて消化に時間がかかるため、消化不良を防ぐためにも一口につき30回を目安によく噛むことを意識すると良いでしょう。さらに、よく噛むことで唾液の分泌が促され、口腔内の健康維持にも繋がります。
摂取量に気を付ける
玄米食べる際には、摂取量に注意するようにしましょう。
一般的に、成人女性であれば1食あたり150g、成人男性であれば1食あたり200gが目安とされています。
これは白米の摂取量とほぼ同じですが、玄米は食物繊維が豊富で消化に時間がかかるため、過剰に摂取すると消化不良や便秘を引き起こす可能性があります。
2歳以下には与えない
玄米は栄養価が高い食品ですが、2歳未満の乳幼児や幼児には与えないようにしましょう。理由として、乳幼児や乳児は消化吸収能力や咀嚼力が未発達なため、消化不良を起こす可能性があります。
玄米を取り入れたい場合
もし玄米を取り入れたい場合は、まずは消化しやすい胚芽米から始めるのが良いでしょう。また、雑穀や玄米を十分に吸水させてやわらかく炊くことで、消化の負担を軽減できます。さらに、初めのうちはすりこぎなどで細かくすりつぶし、白米に少しずつ混ぜる方法もあります。
4歳以上になり歯や消化器官が発達してきても、最初は少量から始め、子どもの様子を見ながら慎重に与えることが大切です。さらに、水分を多く含ませたり、おかゆにしたりすることで、より食べやすくなります。
【実体験】玄米を1年間食べ続けて感じたこと

玄米を1年間食べ続けて感じたこととしては、以下になります。
玄米を食べ続けて実感したこと
- 眠気などを直ぐに感じない
- 腹持ちがかなり良い
- 白米と大して変わらない
眠気などを直ぐ感じない
玄米を1年間食べ続けて感じたことは眠気を直ぐには感じないということです。
これは、玄米のGI値が低いため、血糖値の上昇が緩やかになり、眠気を感じにくくなるためですね。
どう変わった?
白米はGI値が高く、食後に眠くなることがありましたが、玄米に変えてからは眠気を感じにくくなりました。特に昼食後は、その違いを実感しました。
ただし、食後の眠気は一緒に食べるおかずにも影響されるため、玄米を食べれば必ず眠くならないとは言い切れません。それでも、白米よりはおすすめです。
まずは昼食だけ玄米に変えてみると、午後の作業や仕事に集中しやすくなるかもしれませんね。
腹持ちがかなり良い
玄米を1年間食べ続けて感じたのは、腹持ちがとても良くなることです。
玄米は白米と違い、精製されていないため、外皮や胚芽がそのまま残っており、食物繊維や各種栄養素が豊富に含まれています。これらの食物繊維は水分を吸収して膨らむため、胃の中でゆっくりと消化され、エネルギーが段階的に供給されます。
その結果、血糖値の急激な上昇や下降が抑えられ、満腹感が長時間持続します。個人差はありますが、腹持ちを良くしたい人には特におすすめです。
白米と大して変わらない
「玄米は硬くて食べにくい」「独特の風味が苦手」「美味しくない」とよく聞きますが、私は全くそうは感じませんでした。
確かに白米に比べると少し硬さや香りがありますが、特に気になるほどではないので、食わず嫌いの人にはぜひ試してほしいです。
また、「水につけないと食べられない」という意見もありますが、そんなことはありません。私は面倒くさがりなので浸水せずに炊くことが多いですが、水を少し多めに入れるだけで問題なく炊けて、美味しく食べられます。
個人的には白米と大して変わらないと思いました!( ´∀` )
玄米に関連する質問

玄米が合わない人の特徴を知りたいです。
玄米は食物繊維が豊富で栄養価が高い一方、消化が難しい場合があります。
特に、胃腸が弱い方や噛む力が低下している高齢者、小さなお子さんなどは、消化不良を起こす可能性があります。また、過敏性腸症候群(IBS)の方は、食物繊維の多い食品が症状を悪化させることがあるため、注意が必要です。
これらの方々は、白米と混ぜて炊く、発芽玄米を選ぶなど、消化しやすい形での摂取を検討すると良いでしょう。
玄米を食べるタイミングを知りたいです。
玄米は、食物繊維が豊富で血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。
そのため、朝食や昼食など、活動が多い時間帯のエネルギー源として適しています。ただし、消化に時間がかかるため、就寝前の摂取は避けた方が良いでしょう。
玄米は肝臓に悪いって本当ですか?
玄米が肝臓に悪影響を及ぼすという医学的な根拠はありません。一部で玄米に含まれるフィチン酸やアブシジン酸が問題視されることがありますが、これらの成分が人体に有害であるという明確な証拠はありません。
むしろ、玄米に含まれる食物繊維やビタミン、ミネラルは、肝臓の脂質代謝を改善し、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の予防に役立つ可能性が示唆されています。
玄米は癌になりやすくなるって本当ですか?
玄米が癌のリスクを高めるという科学的な証拠はありません。
ただし、玄米は消化が良くないため、胃腸の弱い方は注意が必要です。また、特定の食品だけに偏るのではなく、バランスの良い食事を心がけることが重要です。
玄米を毎日食べるのはよくないですか?
玄米を毎日食べること自体は問題ありません。ただし、前述のように消化に時間がかかるため、胃腸の状態や体調に合わせて摂取量を調整することが大切です。
また、玄米だけに偏らず、白米や他の穀物、野菜、タンパク質などを組み合わせたバランスの良い食事を心がけることで、栄養バランスを保つことができます。
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