梅干しの健康効果・効能は？効果的な食べ方や注意点なども解説梅干し　効果

梅干しの効果についてご存じでしょうか。

梅干しは古くから日本人に親しまれてきた食品で、「体に良さそう」というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、その具体的な効果を知ることで、梅干しの魅力はさらに深まります。

本記事では、梅干しに期待できるさまざまな健康効果や、効果的な取り入れ方について詳しく解説しています。

本記事の結論

梅干しに含まれる主な栄養素

梅干しには、クエン酸をはじめとする有機酸が豊富に含まれています。クエン酸、リンゴ酸、コハク酸などは、体内のエネルギー代謝を支える重要な成分です。

また、発汗で失われやすいナトリウム（塩分）をはじめ、マグネシウムやカルシウムといったミネラルも含まれており、体の基本的な働きを支えます。

さらに、梅リグナンやバニリン、ムメフラールなど、梅干し特有の機能性成分も含まれている点が特徴です。

梅干しを食べることで期待できる効果

梅干しを食べることで期待できる効果として、以下が挙げられます。

期待できる効果

腸内環境を整える働き

梅干しには、腸内環境を整える働きをもつ植物性乳酸菌が含まれており、善玉菌の活動をサポートすることで腸内バランスの改善に役立ちます。

また、梅干しに含まれるカテキン酸やエポキシリオニレシノールには、悪玉菌の増殖を抑える作用があり、乳酸菌と相互に働くことで便秘の予防につながります。

さらに、梅干しは古くから保存食として利用されてきたように、制菌作用を持つ食品です。腸内の不要な菌の増殖を抑えることで、腸内環境を健やかに保つサポートが期待できます。

疲労回復をサポートする効果

梅干しは、疲労回復をサポートする効果が期待できます。その理由は、豊富に含まれるクエン酸にあります。

クエン酸は、体内でエネルギーを生み出す働きを助け、運動や日常生活で蓄積される疲労物質の処理をサポートします。その結果、体のだるさや疲れを感じにくくする効果が期待できます。

このような作用から、梅干しは昔から体力を消耗しやすい場面で取り入れられてきました。

免疫機能を支える作用

梅干しを食べることで血流が促され、体温が上がると代謝が活発になります。その結果、免疫機能が高まり、風邪などの感染症から体を守る力が高まることが期待できます。

さらに、梅干しに含まれる植物性乳酸菌やカテキン酸は腸内環境を整え、免疫機能の向上や抗アレルギー作用をサポートします。

加えて、「若返りのビタミン」とも呼ばれるビタミンEには高い抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎ、風邪予防にも役立つとされています。

血圧を安定させる効果

梅干しには、血管を収縮させて血圧を上げるホルモン「アンギオテンシンⅡ」の働きを調整し、血圧の上昇を抑える作用があることが確認されています。

そのため、高血圧の予防や改善に役立つ可能性があります。

一方で、梅干しは塩分を多く含む食品でもあります。高血圧の方や塩分制限が必要な場合は、食べ過ぎに注意が必要です。

目安としては1日1粒程度にとどめ、減塩タイプを選ぶ、あるいは医師に相談するなど、食事全体の塩分バランスを意識することが大切です。

血液循環を促し動脈硬化を防ぐ

梅干しには、血液循環を促し、動脈硬化を防ぐ効果が期待されています。特に、梅干しを加熱することで生成される成分「ムメフラール」には、血液の流動性を高め、血行を促進する働きがあります。

この血流改善作用により、生活習慣病が原因で起こる動脈硬化の予防や、冷え性の改善にも役立つと考えられています。

さらに、梅干しに含まれるクエン酸には、血液中の脂質バランスを整え、血液をサラサラに保つ働きがあります。

これらの作用が重なることで、脳梗塞や心筋梗塞といった血管系のトラブルのリスクを軽減する効果も期待されています。

骨の健康維持と老化予防

梅干しには、骨を形成する上で重要なカルシウムの吸収率を高める働きがあります。

カルシウムは体内での吸収率が低いミネラルですが、梅干しの酸味成分であるクエン酸がキレート作用によってカルシウムを水溶性に変化させ、腸管からの吸収を促進します。

この働きは骨密度の維持や骨の老化を防ぐ上で非常に重要であり、骨粗しょう症の発症率が高い女性や、骨の成長期にある子どもに特に推奨されます。

内臓機能をサポートする働き

梅干しに含まれるクエン酸やピクリン酸は、肝臓の機能をサポートし、代謝を高める作用があります。

特に、アルコール分解を助けることで、二日酔いの予防や解消に役立つ効果が期待されています。

また、梅に含まれる梅リグナンなどの成分には、胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌の運動能力を阻害・抑制する作用があることが科学的に見いだされており、胃の健康維持にも貢献します。

美肌・アンチエイジングへの効果

梅干しには、美肌やアンチエイジングをサポートする効果が期待できます。

その理由は、老化や生活習慣病の原因とされる活性酸素を除去する、強い抗酸化作用をもつ成分が豊富に含まれているためです。

梅干しに含まれる梅リグナンやビタミンEは、細胞や組織の酸化を防ぎ、体の内側から老化を抑える働きがあります。こうした抗酸化作用により、シミやしわの予防といった美肌効果にもつながると考えられています。

また、ビタミンEには血行を促進し、血管や肌の老化を防ぐ働きがあり、「若返りのビタミン」と呼ばれることもあります。

自律神経のバランスを整える

梅干しは、自律神経の働きを整えるサポートが期待できます。

梅干し特有の酸味には交感神経を刺激して脳を活性化させ、気分をシャキッとさせる働きがあるとされています。

また、梅干しを食べることで吸収が促されるカルシウムには、神経の興奮を抑える作用があります。

そのため、交感神経と副交感神経のバランスが乱れやすい現代人にとって、自律神経を整える助けになると考えられています。

ストレスや不規則な生活習慣による疲れを感じやすい場面でも、梅干しは日常的に取り入れやすいといえるでしょう。

ダイエット効果

梅干しは、ダイエットをサポートする効果が期待できる食品です。

梅干しに含まれるバニリンには、脂肪細胞を刺激して脂肪燃焼を促す働きがあり、特に加熱することでその効果が高まるとされています。

また、クエン酸はエネルギー代謝を効率よく進めることで、摂取した糖質が脂肪として蓄積されにくい体づくりをサポートします。

さらに、オレアノール酸には糖質の消化吸収を緩やかにし、食後の血糖値の急上昇を抑える働きがあるため、無理のないダイエットを支える成分として注目されています。

梅干しの効果を高める食べ方

梅干しの効果を高める方法として、以下が挙げられます。

効果を高める食べ方

毎日の食事に取り入れるタイミング

梅干しは、目的に合わせて食べるタイミングを選ぶことで、より効果的に取り入れることができます。

目的ごとの取り入れ方

また、骨の健康維持や基礎代謝の向上を意識する場合は、カルシウムの吸収率が高まる夜に食べるのがおすすめです。

さらに、飲酒時に梅干しを取り入れることで、肝機能をサポートし、二日酔いの予防や軽減にも役立つとされています。

加熱・非加熱で変わる特徴

梅干しは、加熱して食べることで健康成分が変化し、効果が高まります。特に、加熱によって血流改善に関わる「ムメフラール」や、脂肪燃焼をサポートする「バニリン」が増加することが知られています。

ムメフラールには血行を促進する働きがあり、冷え性の改善にも役立つとされています。そのため、体を温めたいときや血流を意識したい場合には、加熱した梅干しがおすすめです。

手軽な方法としては、梅干しを電子レンジで約1分加熱するほか、フライパンやオーブンで焦がさない程度に焼く「焼き梅」があります。

さらに血流改善効果を重視する場合は、加熱した梅干しをマグカップに入れてお湯を注ぐ「梅湯」として取り入れるとよいでしょう。

梅干しを食べる際に知っておきたい注意点

梅干しは健康に良い食品ですが、塩分を多く含むため、食べ過ぎには注意が必要です。

梅干しの塩分量は種類や大きさによって異なりますが、目安としては1日1粒程度にとどめ、食事全体で厚生労働省が示す食塩摂取目標量を超えないよう意識することが大切です。

また、健康状態によっては摂取量の管理が必要になります。高血圧や塩分制限がある場合は、必ず医師に相談したうえで適量を守りましょう。

梅干しにはカリウムも含まれているため、腎機能に不安がある方が大量に摂取すると、体に負担をかける可能性があります。

さらに、梅干しの酸味成分であるクエン酸は胃酸の分泌を促すため、空腹時に食べ過ぎると胃に負担がかかることがあります。体調やタイミングにも配慮しながら取り入れることが重要です。

参考：日本人の食事摂取基準

梅干しと相性の良い食材・組み合わせ

梅干しと相性の良い食材や組み合わせを確認していきましょう。

栄養吸収を高める食材

梅干しに含まれるクエン酸は、体内で吸収されにくいカルシウムを吸収しやすい形に変えるキレート作用を持っています。

この働きを利用し、カルシウムが豊富な食材と組み合わせることで、効率的に骨の健康維持を図れます。

具体的な食材としては、乳製品であるチーズ や、魚介類のシラスが挙げられ、これらと梅干しを一緒に摂ることで骨の強化につながります。

日常に取り入れやすい組み合わせ例

梅干しは、日々の食事の中でさまざまな食材と組み合わせて楽しめる万能な食品です。

例えば、緑茶には血中コレステロールを低下させる働きがあり、梅干しと一緒に摂ることで健康面での相乗効果が期待できます。

食べ合わせが悪いといわれることの多いうなぎも、実際には梅干しが胃酸の分泌を促し、脂の多いうなぎから胃を守る働きをするため、相性の良い組み合わせです。

さらに、疲労回復を重視する場合は、タウリンを含む牡蠣やアサリなどの貝類と梅干しを合わせたマリネがおすすめです。

ご飯に梅干しを混ぜ込む「梅ご飯」も、唾液の分泌を促し、消化を助ける点で理にかなった食べ方といえるでしょう。

梅干しの効果に関するよくある質問