納豆の歴史や起源について知りたい、納豆にはどんな効果があるのか気になっている──そんな疑問をお持ちではありませんか?
納豆は日本人の食生活に深く根付いた発酵食品で、毎日のように食べている方も少なくありません。
管理人私は毎日食べてる!
だからこそ、その背景や健康効果を知ることで、今よりもっと納豆の魅力を感じられるはずです。
本記事では、納豆の歴史や起源、効果、食べる際の注意点までわかりやすく解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
その他にも、玄米や味噌、梅干しなどの日本の伝統食についても解説しているので合わせてご覧ください






納豆とは


納豆は、大豆を原料に納豆菌(枯草菌)によって発酵させた、日本の伝統的な「スーパーフード」の代表格です。
納豆は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの「五大栄養素」すべてと、「第6の栄養素」である食物繊維を含むため、ほぼ〝完全食〟とも呼ばれます。



栄養価も高いもんね
また、納豆菌が作り出すナットウキナーゼは、血栓を溶かす作用があるとして注目されています。 その優れた栄養バランスと機能性により、納豆は日本人の食文化に深く根付き、日々の健康維持に貢献し続けています。
参考:血栓症および血管系疾患予防の可能性を探る:運動およびナットウキナーゼ摂取の効果
納豆の種類とは


納豆は、発酵方法の違いにより大きく「糸引き納豆」と「寺納豆」の2種類に分類できます。
これは、使用する発酵菌が納豆菌か麹菌かによって、見た目、風味、そして栄養特性が大きく異なるためです。
糸引き納豆は納豆菌で発酵させ、ネバネバとした粘りが特徴で、粒の大きさによってさらに細かく分類されます
これらの多様な種類に加え、お菓子である甘納豆が存在するなど、納豆という名前が指す食品は広範にわたります。
糸引き納豆
糸引き納豆は、納豆菌で大豆を直接発酵させたもので、粘り気(ネバネバ)を持つ、日本で最も広く食べられている納豆です。



納豆と言えばコレだよね
この粘り気は、納豆菌がたんぱく質を分解して作るポリグルタミン酸と旨み成分であるグルタミン酸が結合したもので、納豆の美味しさの秘密の一つです。
ひきわり納豆は納豆菌が広範囲につくため旨みを強く感じやすく、消化も良いのが特徴です。
糸引き納豆は、粒の大きさや種類によって異なる食感が楽しめるため、好みや用途に合わせて選ばれます。
寺納豆(塩辛納豆)
寺納豆は、納豆菌ではなく麹菌と塩水を用いて発酵・熟成させ、乾燥させた食品であり、糸を引かない塩辛い風味が特徴の伝統食です。



初めて知った!
この製法は、奈良時代に中国から伝わったとされ、お寺の台所である「納所(なっしょ)」でよく作られていた歴史から「寺納豆」と呼ばれるようになりました。
平安時代中期の文献に登場した「納豆」は、この塩辛納豆だったと言われています。現代の食卓では脇役かもしれませんが、寺納豆は日本の発酵食品の歴史を伝える重要な存在です。
甘納豆
甘納豆は、豆(あずきなど)を砂糖で煮詰めて作った和菓子であり、納豆菌や麹菌による発酵を伴う伝統的な納豆とは製造方法も特性も全く異なります。
この名称が使われる背景には、「納豆」という言葉が煮豆を貯蔵し「納めた豆」に由来するという説など、発酵とは関係のない起源説があるためと考えられます。
甘納豆を別カテゴリとして分けるべき理由
甘納豆は、発酵食品ではないため、血栓溶解作用のあるナットウキナーゼや、骨形成を助けるビタミンK2といった、糸引き納豆特有の機能性成分は含まれていません。
その主目的は、豆の風味と甘味を楽しむことにあります。 納豆のカテゴリーを語る上では触れられますが、甘納豆は純粋な発酵食品としての納豆とは区別されるべきものです。
納豆の歴史、起源、産地とは


納豆についての歴史や起源、名産地などを確認していきましょう。
納豆の起源と歴史
納豆の起源については確たる証拠はありませんが、平安時代末期の源義家にまつわる伝承が最も広く知られており、奥州遠征中に軍馬用の煮豆が藁の中で自然発酵したのが始まりとされています。



昔ジャポニカ学習帳の扉絵で見た記憶ある、、
当時、大豆と稲藁は庶民でも手に入りやすい材料であり、藁には納豆菌が胞子の状態で付着していたため、煮豆を藁に包んで保存するという行為が、納豆という発酵食品の誕生を引き起こしました。
「納豆」という名前は、お寺の台所(納所)で作られた豆料理に由来するという説が有力です。
江戸時代に入ると「納豆売り」が毎朝売り歩くようになり、朝食の定番として定着しました。納豆は、偶然の発見と食文化の普及を経て、現代日本の食生活に欠かせない存在となりました。
主な産地
納豆の生産量が全国1位を誇るのは茨城県水戸市であり、「納豆のまち」として全国的に知られています。
広まった歴史
水戸藩が粒の小さな早生大豆の栽培を奨励していた歴史があり、この小粒大豆が納豆に適していたこと、そして明治時代に「天狗納豆」が商品化され、水戸鉄道の開通とともに駅の土産品として全国に広まったためです。
水戸納豆は、国産の良質な小粒大豆を使用し、他の納豆とは異なる強い粘りと深い旨みが特徴です。
納豆の消費傾向は、歴史的に冬場の貴重なたんぱく源として重宝された関東、東北、北海道などの関東以北で現在も高い水準にあります。
水戸市は、伝統的な製法を守りながら、納豆を地域の文化として強く発信し続けている日本の納豆の中心地です。
納豆の効果とは


納豆は、大豆由来の栄養に加え、発酵によって生まれる特有の成分の相乗効果により、多岐にわたる健康効果が期待される非常に優れた食品です。
以下には、納豆の主な効果になります。
納豆の効果
- 血液がサラサラになる
- 免疫力が上がる
- ダイエット効果になる
- 栄養の補助になる
- 骨を強くする
- 美肌・美髪を作る
血液がサラサラになる
納豆に特有の酵素であるナットウキナーゼには、血管にできる血栓を溶かす(血栓溶解)作用があり、血液をサラサラにする効果が期待されています。
また、納豆の粘性物質には、血圧上昇を抑える作用(ACE阻害作用)を持つ成分も含まれており、血圧低下にも貢献する可能性があります。
ナットウキナーゼの働きを最大限に活かすためには、熱に弱い性質を持つため、納豆は加熱せずに生で食べることが重要です。



少し冷めたご飯の上にのせて食べるのが◎
免疫力が上がる
納豆は、納豆菌という強力なプロバイオティクスと食物繊維を同時に摂取できるため、腸内環境を整え、免疫力アップが期待できます。
納豆菌は、熱や胃酸に耐えて生きたまま腸まで届き、悪玉菌の増殖を抑えて善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌)の増殖をサポートする働きがあるためです。
また、納豆は水溶性と不溶性の両方の食物繊維を含み、便通改善にも役立ちます。腸内環境の改善は、免疫力を高める基本的な方法の一つです。



万能!
さらに、納豆菌は乳酸菌の「エサ」となる成分を作り出すことで、他の善玉菌の働きも助けるため、相乗効果を生み出します。
ダイエット効果になる
納豆は、比較的低カロリーであり、たんぱく質や食物繊維が豊富なため、ダイエットに有用な効果が期待されます。



ボディービルダーの方も良く食べている印象
豊富な食物繊維が便秘解消や腸内環境改善に役立つほか、食後の満腹感を得やすくするため、自然と食べ過ぎを防ぐ効果があるためです。
さらに、納豆に含まれる植物性油脂は動物性油脂に比べ体に残りにくいとも言われています。ダイエット中は、カロリーや脂質の過剰摂取に注意しながら、納豆を適量取り入れることが効果的です。
栄養の補助になる
納豆は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素すべてに加え、食物繊維を含むため、ほぼ「完全食」に近い栄養バランスの優れた食品です。
補助になる理由
大豆の栄養素が摂取できることに加え、納豆菌による発酵過程を経ることで、大豆単体よりもビタミンB2やビタミンKなどの含有量が増し、消化吸収されやすくなるためです。
特に納豆のたんぱく質は、必須アミノ酸をバランス良く含む良質な植物性たんぱく質です。
また、納豆は食生活で不足しがちな栄養素を多く含むため、普段の食事に加えるだけで手軽に栄養バランスを向上させることができます。
納豆は、特定の栄養が偏りがちな現代の食生活において、理想的な栄養補助食品として機能します。
骨を強くする
納豆は、骨の形成に必須であるビタミンK(主にK2)とカルシウムを豊富に含み、骨粗しょう症の予防に役立つ食品として推奨されています。
ビタミンKは、骨に存在するたんぱく質を活性化させ、血液中のカルシウムを骨にしっかりと定着させる(骨形成を促進する)働きがあるため、骨の強度維持に不可欠です。
納豆は、骨の健康を維持し、将来的な骨折リスクを低減するために積極的に摂取したい食品です。
美肌・美髪を作る
納豆は、身体組織の材料となるたんぱく質、代謝を助けるビタミンB群、そして大豆イソフラボンを豊富に含み、美肌・美髪をサポートする効果が期待されます。
たんぱく質は皮膚や髪、爪を作る材料となり、特に納豆に豊富なビタミンB2は脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜の健康維持に不可欠だからです。
大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをし、女性の美肌や薄毛対策、アンチエイジングに効果的と言われています。
また、ビオチンも皮膚や粘膜の健康維持に深く関わる重要な栄養素です。 納豆を日常的に摂取することで、体の内側から美容と健康を支えることができます。
納豆の栄養素とは


納豆は、大豆の栄養価に加え、発酵過程で納豆菌によって新たに生成・増加する特有の成分を含む、非常に栄養豊富な食品です。
以下では、厳選した5つの栄養素を解説します。
納豆の栄養素
- たんぱく質
- 食物繊維
- ビタミンK
- ナットウキナーゼ
- 大豆イソフラボン
たんぱく質
納豆は、身体の組織や機能を構成するために不可欠な良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。
理由としては、納豆の原料である大豆は、体内で合成できない必須アミノ酸をバランス良く含む(アミノ酸スコア100)植物性食品であるためです。
発酵過程を経ることで、大豆由来のたんぱく質がより消化吸収されやすくなることもメリットです。
そのため、納豆は、手軽かつ効率的に、高品質な植物性たんぱく質を補給できる優れた食材です。
食物繊維
納豆には、水溶性と不溶性の両方の食物繊維がバランス良く含まれており、腸内環境の改善に貢献します。
理由としては、不溶性食物繊維は便のカサを増して腸の蠕動運動を促し、水溶性食物繊維は糖の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を防ぐなど、それぞれが異なる働きを持つためです。
食物繊維は、納豆菌の善玉菌のエサとしても機能し、相乗効果で腸活を強化します。
また、コレステロールを吸着して体外に排出する作用もあり、生活習慣病の予防にも役立ちます。
そのため、納豆は、便通改善や血糖値管理など、多方面で健康に寄与する食物繊維を効率的に摂取できる食品です。
ビタミンK
納豆は、特にビタミンK(主にK2)の含有量が非常に多く、血液凝固作用と骨の形成に極めて重要な役割を果たします。
納豆菌が大豆を発酵させる過程で、ビタミンKが大豆の含有量の約124倍にまで大幅に増加するため、特にビタミンKが豊富な食品となります。
ビタミンKの役割
ビタミンKは、出血時に血液を固める作用に不可欠であり、また、骨にカルシウムをしっかりと定着させる働き(オステオカルシン活性化)を通じて、骨粗しょう症の予防に役立ちます。
骨の健康を維持し、丈夫な体を作るためには、納豆からビタミンKを効率的に摂取することが推奨されます。
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼは、納豆菌が発酵する際に生成される納豆特有のたんぱく質分解酵素で、納豆のネバネバに含まれる機能性成分です。
この酵素には、血管のつまりの原因である血栓(血の塊)を直接溶かす強い作用があることが研究で明らかになっており、血液サラサラ効果の主成分とされています。
そのため、ナットウキナーゼは、脳梗塞や心筋梗塞といった血液疾患の予防に役立つと注目されています。



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ただし、この酵素は熱に弱い性質(50℃を超えると活性が低下)があるため、効果を期待する場合は加熱せず生で食べる必要があります。
大豆イソフラボン
納豆は、原料である大豆由来の大豆イソフラボンを含んでおり、特に女性ホルモンに似た作用から、美容や健康に対する効果が期待されています。
大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と化学構造が似ており、体内でエストロゲンと同様の働きをすることで知られています
大豆イソフラボンは、女性の健やかな毎日と、骨の健康をサポートする上で重要な納豆の成分です。
納豆を食べる際の注意点


納豆の持つ優れた健康効果を安全かつ効率的に得るためには、特定の調理法、保存方法、および薬との相互作用について注意を払う必要があります。
これは、納豆の機能性成分(ナットウキナーゼやビタミンK)が熱によって失活したり、特定の薬の作用に影響を及ぼしたりするためです。
以下では、具体的に気を付けるべきことを確認していきましょう。
加熱はしない方が良い
納豆に含まれる血栓溶解酵素ナットウキナーゼの働きを活かすには、納豆は加熱せずに生で食べることが強く推奨されます。
ナットウキナーゼは熱に弱い性質を持ち、50℃を超えると活性が低下し始め、70℃以上ではほとんど失活してしまうためです。



アツアツご飯と食べたいのに、、
炊きたての熱いご飯の温度(約60~80度)に乗せてしまうと、この酵素の効果が薄れる可能性があるため、ご飯を少し冷ますか、納豆を別々に食べる工夫が勧められています。
常温で放置しない
納豆は冷蔵保存が基本であり、冷蔵庫から出して常温で長時間放置しない方が、美味しく食べられます。
常温に置いておくと納豆の再発酵が進み、粘りや糸引きが弱くなったり、独特の匂いが強くなったり、じゃりじゃりとした食感(アミノ酸結晶)が生じるなど、風味が損なわれる可能性があるためです。



このジャリジャリあるとマジで美味しくなくなる
ただし、冷蔵庫から出して30分ほど常温に戻してからかき混ぜると、納豆菌が活性化しネバネバ成分が増加して、よりふんわりとした食感を味わえるという利点もあります。
ワルファリン服薬者は注意
血液を固まりにくくする薬であるワルファリンを服用している人は、納豆の摂取を原則控えるよう指導されています。
ビタミンKは納豆の機能性成分であるため、ワルファリン服用者は必ず医師や薬剤師に相談が必要です。
生卵の卵白との食べ合わせに注意
納豆に生卵を混ぜる場合、生卵の卵白と組み合わせると、納豆に含まれる特定の栄養素の吸収が阻害されるため注意が必要です。
生の卵白に含まれるアビジンという成分が、納豆に豊富なビオチン(ビタミンB群)と強く結合し、ビオチンの体内への吸収を抑制してしまうためです。
ビオチンは、皮膚や粘膜、髪、爪の健康維持に深く関わる重要な栄養素です。この吸収阻害を避けるためには、卵白は加熱するか、卵黄のみを納豆と組み合わせることで、ビオチンを効果的に摂取できます。



私は目玉焼きにしてる
納豆と卵を一緒に食べる際は、卵白を加熱するか、卵黄だけを使うという工夫をすることで、栄養を損なわずに美味しくいただけます。
過剰摂取は避ける(1日1パックが目安)
納豆の過剰摂取は、カロリー過多や特定の栄養素の摂り過ぎにつながる可能性があるため、健康維持のためには1日1パック程度を目安にすることが推奨されます。
大豆イソフラボンの1日摂取上限は70~75mgとされていますが、納豆1パック(約33mg)を基準に、他の大豆製品の摂取量も考慮すると、1日2パック以上は過剰摂取となるリスクがあります。
納豆は栄養価が高いですが、栄養バランスを保つためにも、適量を守り、他の食品と組み合わせて摂取することが重要です。
納豆とはに関連するよくある質問
納豆とはどういうものですか?
納豆は、大豆を原料とし、納豆菌(枯草菌)によって発酵させた、日本の伝統的な発酵食品です。
納豆はどうやって生まれましたか?
納豆の発祥については諸説あり、はっきりとした起源は明らかになっていません。
しかし、平安時代末期の武将・源義家(みなもとよしいえ)が東北地方を遠征中に発見したという「八幡太郎義家説」が有力な説として挙げられます。
これは、軍馬用の煮た大豆を藁苞(わらづと)に包んで保存した際、藁に棲む納豆菌(枯草菌)が作用して偶然発酵し、糸を引く納豆になったとされるものです。
納豆はなぜ体に良いのですか?
納豆は、大豆の持つ豊富な栄養素に加え、発酵によって生まれる特有の成分により、多様な健康効果が期待されるためです。
毎日納豆を食べたらやばいですか?
毎日納豆を食べることは健康維持に役立ちますが、過剰に食べ過ぎるとデメリットが生じる可能性があるため、1日1パック程度を目安に適量を摂取することが推奨されます。


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